最近勢いが強くなっている中華レンズ界隈
昔は中華系レンズといえば「安かろう悪かろう」とう印象も強かったですが、最近は結構頑張っている印象を受けます。
韓国のサムヤンなどはその先駆者(?)的な存在だと思うのですが、なかでも銘匠光学と七工匠は特に勢いです。
といっても、メインストリームとして勢いがあるというよりは、一部の界隈で熱狂的に支持され始めている感じですね。
共通しているのはどちらも中国深センの会社です。
流石にまだ国内純正レンズやTAMRON・SIGMAほどの技術はないかもしれませんが、MFレンズで単焦点なら結構良い感じのレンズが増えてきています。
中華系ならサムヤンとかはAFレンズも増えてきていますし。
TTArtisan 35mm f/1.4 cのスペック
対応マウント |
SONY E |
フォーカス | MF(マニュアルフォーカス) |
レンズ構成 | 6群7枚 |
対応センサーサイズ | APS-C |
最短撮影距離 | 0.28m |
絞り | F1.4-F16 |
絞り羽根 | 10枚 |
フィルター径 | 39mm |
サイズ | Φ約56mm × 約50mm |
重さ | 約180g |
ミラーレスを中心に結構色々なマウントに対応しています。
特にNikon Zに対応しているというのはサードパーティ製が少ない現状において、ユーザーからすると嬉しい部分なのではないでしょうか。
ただ、このレンズはMFレンズとなります。
AFはできないので自分でピントを合わせる必要がありますが、ミラーレスであればMFレンズでもピントは合わせやすいですし、そこまでストレスは感じないかと思います。※1そもそもそこに面倒さを感じている人はMF買わないでしょうけど
MTFなどのもう少し詳しい情報は焦点工房さんのページよりどうぞ
TTArtisan 35mm f/1.4 cはとにかく安い
このレンズが注目されている理由の一つとして「とにかく安い」ということが挙げられます。
9,000円切ってます。
ちなみに私は運よくクーポンが発行されていたタイミングで買ったので、さらに安く約8,000円で購入しました。
このくらいの値段なら「あまり使わないかもしれないけど買ってみるか」とつい考えてしまうレベル。
開封の儀と外観について
価格は低いものの意外と箱などの作りはしっかりしています。
触り心地が良い。
ただ地味にプリントが雑なところが可愛い。
値段が高いレンズだったら「ここまでこだわってよ」と思うかもしれませんが、安価な価格なので全然許せます。
蓋を開けると説明書が入っています。
中身はウェブ上で出ているスペック表と特に変わらないので、あまり読む人はいないと思いますが、一応紹介しておきます。
説明書をどかすとレンズが見えてきます。
値段の割に良い感じの梱包です。
レンズキャップはねじ込み式のメタルキャップです。
かなり薄いため、使用時にカバンの中に入れておくと、中身に押しつぶされて曲がるんじゃないかと若干不安になります。
側面にはレンズ構成が記載されています。
FUJIFILMの23mm F2と比較するとこんな感じです。
23mm F2もサイズとしてはそこまで大きいサイズではないのですが、TTArtisan 35mm f/1.4はそれよりもさらに小さいサイズです。
持ち運びもかなりしやすい。
TTArtisan 35mm f/1.4 cを使ってみて感じた良さと気になる点
基本的に満足している部分の方が多いので、あまり気になるところもなかったのですが、一応良い点と気になった点をまとめます。
良いと思った点
良いと思った点は主に4つです。
・シャープに映る
・ピントリングの動きが程良い滑らかさ
・開放と絞った時の描写を切り替えて遊べる
・金属製で安っぽさを感じない
まず、とにかくこのレンズは小さくて軽いです。
持ち運びのしやすいサイズとなっているので気軽にカバンの中に入れて持ち運ぶことができます。
今回はXマウント用を購入したのでX-Pro2に装着して使っています。
見た目好き…それだけで買ってよかったと思える。
また、安価なレンズなのにも関わらず、シャープな写りをすることも良い。
最近のレンズは大体シャープに写るので、もはやカリカリ写ること自体は特段他のレンズと比べて優れていることではないと思いますが、このレンズは安いのにも関わらず写るのです。
高いレンズが良く写るのは当たり前ですが、安いレンズだとどうしても当たり外れがあります。
F2.8〜F4あたりでもうそれなりに良く写ってきますし、F5.6〜F8まで絞るといわゆる現代レンズ的なカリッとした写りを出してくれます。
ただ、開放に関してはふわふわした写りになります。
オールドレンズっぽい感じです。
この開放と絞った時の写り方が結構違うので、撮りたい雰囲気に合わせて風景写真でも開放を使うと、どことなく柔らかい写真が撮れて良いです。
あと最後に質感が良いので安っぽさがないです。
価格を抑えたレンズというと、どうしてもプラスチックなどを利用して安価になることが多いです。
むしろ、そうなるのが普通だろと思っていたわけですが、TTArtisanのシリーズは金属製となっているので全然安っぽさを感じません。
安いのにちょっと所有感がある不思議なレンズです。
気になる点
このレンズは逆光耐性はそこまで強くないと言われています。
私も何度か逆光での撮影を試してみましたが上手い具合にフレアとか出なかったので例を載せられませんでした…
逆光での作例が気になる方は上記の記事も参考にしていただければと思います。
ただ、逆に言えば普通に使っている分にはほぼ気になりません。
明らかに「フレアとかゴースト出すぞ!」って思って撮らない限り目立つ感じでは出ないですね。
最近のレンズは逆光耐性が強くなっているので、少しデメリットに感じてしまう人もいるかもしれませんが、9,000円のレンズにそこまで求めるか?と言われるとNoだと思います。
特定の条件下で多少問題があったとしても、ほとんどの撮影条件ではよく写るため、非常に完成度の高いレンズだと言えます。
写りとは関係ないけどややマウント部が硬い気がする
写りとは関係ないですが、やや着脱する時に硬い気がします。
これは個体差なのかもしれないので、たまたま私のレンズが硬い可能性もありますが、やや硬めということに加えてレンズが小さいため、少し外しにくさがあります。
レンズの根元を持たないとフォーカスリングが回ってしまいますし、気を遣いながらいつも着脱しています。
TTArtisan 35mm f/1.4 cの作例
ここで何枚かX-Pro2との組み合わせで撮影した写真をぺたぺた貼ります。
色味に関してはPROVIAを適用させて、明るさだけ少し調整した程度です。
9,000円という価格ならまず「損をした」と思わせないクオリティ
安いレンズになると安かろう悪かろうという半ば諦めに近い気持ちが出てくるかもしれませんが、TTArtisan 35mm f/1.4は作りや描写も良く非常に満足感の高いレンズとなっています。
少なくとも「9,000円の価値はない」と思う方はあまりいないかと思います。
ここまで写れば十分じゃないでしょうか。
現在TTArtisanのAPS-Cレンズは今回のレンズ以外にも17mm F1.4と50mm F1.2があるので自分の好きな焦点距離に合わせて広角から中望遠まで安価に揃えることができます。
ミラーレスであればMFレンズも快適にピントを合わせることができるので、スナップ用途であればTTartisanシリーズで単焦点は揃えてしまっても良いかもしれません。
私も追加購入しそうです。(特に50mm F1.2)
補足説明
↑1 | そもそもそこに面倒さを感じている人はMF買わないでしょうけど |
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