カメラを買って写真を撮ることを趣味にしている人の中には「カメラ趣味疲れるな…」と感じ始めた人もいるかもしれません。
私もその一人でした。
ただ、これは過去の話です。今は好きです。
趣味に疲れるって話はカメラに限らず結構色々と聞く内容ですが「どのような経緯でカメラが嫌いになってまた好きになったのか」について私のケースを話したいと思います。
あくまで私のケースとなりますが、多分よくあるパターンだと思うので思い悩んでいる人の参考になれば幸いです。
カメラで写真を撮ることに疲れを感じ始めていた
私が写真を撮り始めたきっかけは絶景写真を撮りたいからとかそういうものではなく、家族の結婚式で良い写真が撮りたいなと思ったことが始まりです。
当時は今のようにスマホで何倍もズームできるほど高性能ではなかったですし、遠くにいる被写体を撮りたいと思ったらコンデジか一眼は必須です。
そしてコンデジ買うならいっそ一眼買ってみるかとなりましたので、量販店で販売員さんに質問しながら買ったという感じです。
でも、次第に色々な写真が撮れることの楽しさを覚えて気がついたら趣味になっていたんですよね。
段々と疲れが出てきた
最初のうちは「こんな撮り方があるのか」とか「この機材を使えばこんな風に撮れるのか」など発見の連続なのでめちゃくちゃ楽しいのですが、ある程度知識がついてきたりするとうまく撮れない時にストレスを感じるようになってきました。
また、カメラの新商品が出るたびに振り回されて買っては売ってを繰り返して結構な散財をすることも少なくありません。※1これはある程度今も同じですが(笑
新しいプロダクトを見るのは好きですし、どんどん新商品が出てくるのは活気を感じて良いんですが、途中から「流石に全部追うのは無理だな…」となっていました。
今でこそ自分の腕だとどのくらいの機材があれば撮りたい被写体が撮れるのか分かりますが、カメラを始めたばかりの時はとにかく最新機材を買うのが良いと思っていたので情報に振り回されるんですよね。
写真・カメラに生活が支配されすぎていた
とにかく日常的に写真を撮ることやカメラのことで頭がいっぱいとなり、どこかに行くにしても「良い写真は撮れるのか」「カメラを使うことはできるのか」という意識にかなり支配されていました。
これも結構大きかったです。
あくまでも写真やカメラは自分の人生の中の一部分の要素でしかないです。他にも大切なことはいっぱいあります。
それなのに他の要素にまで影響を与えすぎるくらい侵食してくると嫌な気分にもなってきます。
今でも写真とカメラのことを考えない日はないですが、前みたいに「とにかく良い写真を撮りたい」という気持ちが強すぎて視野が狭くなることは無くなりました。
写真を撮るということ、カメラ機材を買うということと良い距離感で付き合えていると感じています。
他にも嫌なことが目につくようになってきた
写真を撮るようになるということは今の時代ならSNSもするわけですよ。
SNSならカメラ好き・写真好きで繋がればさぞかし楽しいだろうなと思っていたのですが、蓋を開けたらかなり混沌とした空間でした。
まずカメラメーカーが宗教となっていたり、特定の言葉がでかいユーザーが他のユーザーを貶めていたりまあひどいものです。
私はカメラも好きですが写真も好きな人間です。
でも、極端なカメラ好きと写真好きの間にはかなり大きな隔たりがあることを知りました。※2どっちか片方が悪いわけではないです。単純に考え方の違いが大きい。カメラ好きは「そんな機材で写真撮るとか(笑)」って感じでしたし、写真好きは「カメラ機材ばっか買ってないで写真撮れよ」ってスタンス
上記の通り私はどっちの考えもある程度はわかっているつもりなので片方の考えに寄せることはないですが、単純に歪みあっていてお互いに違う考えを拒否しあっているのを見ているのはなんとなく関係ない人間も気が落ち込みます。
今でこそ俯瞰して見れるようになり、そこそこ耐性がつきましたので平気になりましたが慣れてないときは結構きつかったです。
写真撮るのがつまらない。面白くねぇなと思うようになった
とまあ、こんな感じで色々あって「写真撮るの面白くねぇな」と率直に感じ始めたことが大きいです。
趣味は楽しいからやってるのに、なんでのめり込むほど苦痛になっていくんだよと半ばキレ気味でしたので一時期カメラとか写真の話題がめちゃくちゃ嫌いでした。カメラメーカー全部倒産しろとまで思っていました(過激派)
でもSNSで繋がっている人はカメラ関係の方も多いので当然話は入ってくるんですよね。
それがまた苦痛を引き起こすサイクルになっていたりして結構悪循環に陥っていたと思います。
しばらく写真を全く撮らない時期がきた
色々な条件が揃っていたこともありますが、全世界的に広まった感染症のせいもあり外出がほぼできない状態に…※3蔓延当初は本当に外出は悪みたいな感じでしたので
たまに家で物撮りをしたりしますけど別に物撮り自体が好きな訳ではないですし、むしろスナップ撮影が中心の私にとっては街に出れないことは写真を撮らないと同義になるのです。
そうして、しばらく写真を撮らない時期が来るといよいよカメラを手に触れないようになりました。
一応カメラ関係の最新情報だけは横目で見ていたものの、興味はほとんどなくていつ売却しようかなとさえ考えていました。
完全に写真を撮らない人間になったわけです。
ある日ふとカメラを持ち出そうと思った
写真を全く撮らなくなって数ヶ月経ち、徐々に感染症対策をどこまでやれば良いのかなどの情報が出てきたあたりで散歩くらいはするかと思うようになりました。
テレワークに移行していたので、当然平日は全く外に出ることはなく、休日も引きこもっていたのでそろそろ社会性がやばいと危機感を覚えていたので休みの日は少し外に出るかなと。
でも、イベントなどは完全に壊滅状態でしたし友達とご飯を食べるのもNGとなると本当に散歩するだけになります。
それなら久々に写真を撮ってみるかとふと思いました。
そのため突然「写真撮りて〜」と写欲が湧いてきたわけではなく、散歩をする口実としてカメラを持ち出す。そんな感じでした。
写真を撮っていてやっぱり楽しいなと感じた
距離を空けるまでの数年間はほぼ毎週触っていたのに少し時間が空いてしまうとちょっと緊張するんですよね。
久々の操作はどことなくぎこちないものでしたが、散歩をしながら写真を撮っていて「やっぱり写真を撮るのは楽しいな」と感じました。
別に絶景の風景写真を撮ったわけではなく、本当に近所を散歩しながら写真撮っただけなのでいわゆるスナップ写真です。
そのため、写真としての出来上がりについて満足感があったというよりは純粋に写真を撮る行為そのものが楽しかったという感じですね。
多分ここで何も感じなかったらこのまま辞めていたかもしないですね。
新製品を追いすぎずないようにしてみた
カメラに限らず新しい技術や製品は好きなので情報を追うこと自体は辞めてないのですが、新製品が出た時に一旦立ち止まって「これ本当に買う必要ある?」と冷静になるように意識をしはじめました。
写真から距離を空ける前までは自分の中でもどのカメラメーカーに託すかふわふわしていたので、良い商品が出るたびにマウント替えをしていました。
多分メインマウントを年に3回くらい替えた年もあります…※4最短は一週間でマウント替えしました。今思うとやばい
ただ、色々とカメラメーカーを使ったからこそ、多少の画質の差や使い勝手の差はあってもそこまで大きな影響はないということにも気がつきました。
そのため今は軽率にマウント替えをする気もないですし、カメラの性能自体も少し頭打ち感が出てきていますので、結構冷静に見れています。
もし大きな技術的ブレイクスルーがあればまた投資をするかもしれませんが。
趣味なんだし「自分の写真は自分が一番好き」で良いと思う
仕事の場合はクライアントが満足するクオリティが正解ですが、趣味であれば失敗もどんどんして良いですし、撮るジャンルも一番自分が楽しいものを撮ればいいです。
SNSに載せたりするとどうしてもいいね数とかRT数を追いたくなる気持ちも出てくるでしょうけど、仮に数字が伸びなかったとしてもその写真が悪いわけではないですし、見返してみて「良い写真だなぁ」と自分が思うならそれでOKだと思います。
他の人から「良い写真だね!」と言われるとそれはそれで嬉しいですけど、何よりも自分自身が自分の撮った写真を好きと断言できるかどうかが一番大切かなと思っています。
ジャンルや被写体によっては全然理解されないこともありますし、なんで好きなのか言語化できないこともありますけど、その好きな写真という感覚を優先して向き合っていくと心が楽になります。
私の場合はスナップ撮影をしている時に室外機とかよく撮るんですけど自分でもなんで撮りたくなるのかよくわからないんですよね(笑)
でも好きな被写体と断言できてしまう。
趣味だからこそ肩の力を抜くポイントを作る必要がある
これは性格的な部分もあるかと思いますが、趣味ものめり込むと段々と作業感というか仕事のようになる時があります。
当然、そうなることは真剣に取り組んでいるからこそなのですが、時々ふと立ち止まって「これは趣味なんだから程々でもいいな」と力を抜く時も必要です。
休みのたびに写真を撮りに行く必要はないですし、何なら大きい一眼カメラを持ち歩く必要もありません。
「今日はスマホのカメラで撮り歩くかー」という楽しみ方もありますし。
写真を撮る気分じゃないなら撮らなくていいし、撮りたいときにカメラを構えれば良いんです。
カメラ趣味に疲れたあとは振り切って写真が好きになった
最近は写真は趣味というより完全にライフワークと化しています。
もちろん楽しいから写真を撮るのですが、以前よりも日常的に写真を撮っています。
「写真を撮りに行くぞ!」と意気込むわけではなく、衣食住の中に組み込まれている感覚。
出勤時のちょっとした時間もそうですし、家族との写真もかなり撮影するようになりました。
一回距離を空けたからこそ写真を撮るっていいなと感じることができましたし、良い意味で機材に対しての興味も無くなってきました。
「シャッター切れればカメラなんでも良いよね」感じになっています。※5特にスナップ撮影において
写真にしても動画にしても「記録をする」ということ自体が価値のある行動だと思っています。
その時はなんだかよくわからない写真であっても数年後、数十年後に撮ってて良かったなと思うことが多く出てくるので。
話がいろいろな方向に散らかってしまいましたが、私が言いたいことは「辞めたくなったら辞めていいし、また始めたくなったら始めればいい」ということです。
せっかくかったカメラを寝かせたままにしたり手放すのは心苦し部分があるかもしれませんが、罪悪感を覚える必要はないですし、気楽に付き合うことで各々のカメラ趣味との程よい距離感が生まれてくるんじゃないかなと思っています。