GRIIIにはクロップ機能がある
GRIIIはレンズ固定式のデジカメであり、ズーム機能などがありません。
そのため、35mm換算で28mm相当の画角で撮影をすることがメインとなりますが、GRIIIにはクロップ機能というのものがあります。
今ままでは「画素数減るからあまり使いたくないなー」と考えていたので控えていましたが、冷静に考えて35mmと50mmの画角で十分使えるならGRIIIの活用機会もっと増えるんじゃない?と思ったので色々とクロップ縛りの撮影をしてみました。
そしたら「思ったより実用出来じゃない?これ」と思ったので記事にした次第です。
GRIIIのクロップ機能について
まずは簡単にGRIIIのクロップ機能についておさらいです。
GRⅢはクロップ機能を使うことで35mm・50mm相当の画角で撮影することができます。
ただ、あくまでもクロップとなるので元の画素数よりは少なくなります。
35mm相当:1,500万画素(4800×3200)
50mm相当:700万画素(3360×2240)
こうして画素数だけ見てしまうと今の高画素時代においてかなりの低画素と感じてしまうかもしれませんが、実際SNSなりプリントなりの運用を考えてみると700万画素でも十分な画質は確保できます。
A3ノビまで印刷できればフォトコンなどにも出せますし、SNSでのアップがメインであればなおさら十分です。
トリミングではなくクロップを使う理由について
撮影後にデータをトリミングするのと撮影時にクロップして撮るのではアウトプット先の見え方としては同じになります。
しかし、トリミングの方が編集の自由度があるので色々と便利です。
じゃあなんでクロップを使うのかというと、撮影時に画角の意識が生まれるからというのが大きな理由です。
撮影時に「後でトリミングするか」と思っていても28mmの画角で撮るわけなので、構図の決め方などは28mmの画角に合わせて撮影することとなります。
画面は28mmでも意識して35mmや50mmの画角でも撮れる人もいるかもしれませんが、どうしても実際に映っている28mmの画角の画面に引っ張られてしまうわけです。
つまり、最初からクロップを撮影をした方が、最終的な見え方としてしっくりくるものを作りやすいというメリットがあります。
この辺りは人によって全然運用が違いますし、好みも分かれるところですね。
GRIIIのクロップ機能を使った作例
それぞれクロップ機能を使って撮影をした写真を何枚か載せたいと思います。
35mmクロップ
確か向かいの歩道から撮ったのだと記憶していますが、これが28mmだともう少し広く写りすぎてしまします。
35mm画角であれば良い感じの広がり方で写ってくれます。
ゴリゴリ系の写真です。
彫刻の部分やレンガの描写もかなりくっきりと写っています。
明け方のみなとみらい。
定番スポットですが、このアングルで取ろうと思うと28mmだと結構撮りにくいです。
欲を言えば50mm~70mmくらいだときれいに収まるのですが、35mmでも山下公園の雰囲気を見せつつみなとみらいのビル群をバランス良く写せていると思います。
50mmクロップ
ぱっと海を見た時に「船が良い感じにクロスするぞ!」と思ったのでとっさにクロップで撮った一枚。
明らかに28mmだと広すぎたのですが、50mmにしたことで奥の船と黒する船の構図を決めやすかったです。
28mmでも写すことはできましたが広すぎてクロスしてる感がなかったので50mmのクロップを使って正解だったパターンです。
ここも写真撮るひとは結構多いのでは。
標準~中望遠くらいでここを撮ると面白い絵が撮れます。
しかし、この写真よく見たら水平取れてませんね…
これもよくある写真、ランドマークタワーを中心とした一枚です。
28mmだともう少しごみごみしてしまうのですが、50mm相当になっていることで比較的すっきりとランドマークタワーが写っています。
GRIIIのクロップ機能は非常に実用的だった
冒頭でもお話ししたように、私自身元々はあまりクロップを使いたくない派の人間だったのですが、実際に色々と写真を撮って、大きい画面でも見た時に「結構綺麗に写ってるじゃん」と感じたので、今では手のひら返でクロップ機能をバンバン使っています。
GRⅢのレンズが非常に良くできているということの表れでしょう。
ちなみに画角を意識しながら使うということでクロップする時もありますが、結構気分でクロップを使う時もあります。
「今日は35mmクロップ縛りで撮るかー」とかそんな感じです。
クロップ機能を使うことで画素数が減っていってしまします。
これは仕方のないことです。
特に50mmになるとかなり画素数が減るので、かなり大きいプリントをする予定の撮影では最適な撮影方法とは言えません。
ただ、SNSにアップするのがメイン、印刷をするにしても一般人が行う通常のプリントサイズの範囲なら十分画素数も足りているので、実際に画素数の少なさをアウトプット先で感じることは少ないでしょう。
GRシリーズはとにかくコンパクトでズボンのポケットにも入るということが大きな魅力でもあるので、クロップ機能に対して拒否感がない人は自動的に28mm・35mm・50mmの画角が手のひらサイズに収まることになります。
一眼は一眼で楽しみ方がありますが、GRシリーズにはGRシリーズなりの楽しみ方やメリットがあると今回の試みで再認識させられました。
そしてGRはそのサイズ感からGRじゃないと撮れない写真というものに多く出逢います。
「普段ならここでカメラ出すことないけど、GRだからサッと出して撮れた」とか。
ここに28mm画角以外の選択肢が入ってくることによって、さらにGRIIIの守備範囲が広くなった気がしています。
今まで私が使っていなかっただけなんですけど。
もし私みたいにクロップに対して否定的な気持ちを持っていたとしても1回使うと「意外とやるじゃないか」と感じる場面は多いと思います。
GRIIIのレンズの設計が良いからこそできる所業だと思うので、これは次のGRでもうちょっとだけ画素数上がればクロップ機能バンバン使ってくれる人増えるんだろうなーと思っています。