軽量の望遠ズームが2社から発表
去年にSIGMA・TAMRON両社から軽量の超望遠レンズが発表されました。
先に発表をしたのはSIGMAの方でかなり話題性は持っていきましたが、その数ヶ月後にTAMRONも同様のスペックの超望遠レンズを出すなどユーザーの取り合いを真正面から行っている感じは非常にワクワクいたします。
既に発売から1年以上経過しているレンズなので多くのレビューが出回っているかと思いきや意外と少ないんですよね。
TAMRONとSIGMAの比較
SIGMAの方が好印象?
SIGMAとTAMRONだと比較的SIGMAの方が比較的評価が高い印象があり、「ライトバズーカ」を先に発表した影響もあるのか100-400mmのレンズはSIGMAユーザーの方をよく目にします。
というか単純にTAMRONの100-400mmユーザーが少ないだけなのかもしれない。
私としてはTAMRONのレンズは昔からよく使っていたこともあるので、ある程度の信頼は置いていたし、G2のラインだと24-70mmの性能の高さを体感しているので100-400mmも多分性能的に大丈夫かなと思っていたのであまり気にしませんでしたが、レビューが少ないのは人によっては結構気になりますよね。
TAMRONの方が若干明るい
SIGMAはF5-6.3でTAMRONはF4.5-6.3です。
望遠側は同じ明るさですが広角側はTAMRONの方が若干明るいです。
ただでさえ暗めのレンズなので少しでも明るい方がほしいなと思ってしまうのが心情でしょうか。
しかし最近のカメラを使うのであればISOはある程度上げても大丈夫ですし、あまりこの明るさは目くじら立てて悩む項目ではないかと思います。
三脚座がSIGMAはない
SIGMAには三脚座がアクセサリーとしても存在しないです。
つまり三脚座がつかないという事になります。
それに対してTAMRONはオプションで三脚座は追加することが可能。
これは人によってはTAMRONを買う要因になるのではないでしょうか。
軽い望遠レンズとはいえ被写体によっては三脚を使って撮影したい時もあるでしょうし、三脚座を使いたくなったときに使えないというのはちょっと怖い。
実際に使うかどうかは別として選択肢はできるだけ多い方が後々後悔する可能性は減ります。
価格はTAMRONの方が若干安い
価格はTAMRONの方が若干安いです。
SIGMAは67,000円前後ですが、TAMRONは61,000円前後です。※1記事執筆時2018年11月の価格
5,000円ほどなのでものすごい差があるというわけではありませんが、TAMRONを買えばフィルター分くらいはお得になると思います。
それにしてもどちらも安い。
SIGMAとTAMRONの100-400mmの比較まとめ
SIGMA | TAMRON | |
F値 | F5-6.3 | F4.5-6.3 |
レンズ構成枚数 | 15群21枚 | 11群17枚 |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) | 9枚(円形絞り) |
最短撮影距離 | 160cm | 150cm |
フィルターサイズ | 67mm | 67mm |
最大径×長さ | 86.4 × 182.3 |
86.2 × 199mm(Canon)、196.5mm(Nikon)
|
重さ | 1,160g |
1,135g(Canon)、1,115g(Nikon)
|
防滴 | ○ | ○ |
防汚 | ☓ | ○ |
三脚座 | ☓ | ○ |
価格 | 67,000円前後 | 61,000円前後 |
発表された時は同じようなスペックだなーと感じましたが細かく比較をすると少し違いが現れてきます。
TAMRONの方が後出しとなるため若干SIGMAよりもスペック上では優れていることがわかるでしょう。
レンズの良さはスペックだけではないですけど。
TAMRONを最終的に選んだ理由
私はSIGMAのレンズも好きですし結構ギリギリまでどっちを買うか悩んだんですが、最終的にTAMRONを選びました。
その理由は下記の通り
・手ぶれ補正はTAMRONの方が強そう
・三脚座が使える
・若干明るい
・SIGMAより寄れる
・あまり使っている人がないから
望遠レンズとなると手ぶれ補正がどれくらい強いかというのは気になるところですが、TAMRONは他のレンズもかなり手ブレが決まるものが多く、この100-400mmも同じように手ぶれ補正がめちゃくちゃ強いと感じたからです。
量販店でSIGMAとTAMRONのレンズを両方使いましたが、TAMRONは半押ししてフォーカスを合わせるときにビタッと止まっていました。※2もしかしたらUSBドックでSIGMAの方も調整した手ブレは強くなるかもしれません。
人によっては逆に止まりすぎて気持ち悪いと感じるかもしれませんが。
三脚座と明るさに関したは先述のとおりです。比較的暗いレンズだからできるだけ明るいほうがいいという判断と、三脚座が使えるのと使えないのだったら使える方が良いかなと。
また、TAMRONの方が最短撮影距離が短いため寄ることができるということも選んだ理由の一つです。
望遠レンズで寄れるとプチマクロみたいな感じで使えたりするので意外と便利だったりします。
最後のは若干捻くれた理由です。
SIGMAは比較的レビューが多く買う時の情報が溢れていますが、TAMRONは明らかにSIGMAよりも少なかったので「あえてTAMRON買いたくなっちゃうな」という捻くれた精神。
使い心地など
サイズ、重量
軽量の望遠レンズうたっていることもあり持った感じは望遠が400mmまであるレンズとは思えません。
隣に並べて比較しているのは同じTAMRONの70-200mmです。
若干70-200mmの方がずんぐりむっくりしていますが、おおよそのサイズ感は同じです。
ここまで小さかったらカバンで持ち運ぶ際も邪魔にはなりませんし一日中手持ち撮影をしても疲れは感じません。
実際の重さはCANON用が1,135gでNikon用が1,115gとなっています。
SIGMAのArtレンズに慣れすぎて感覚おかしいので1kg前後なら軽いです。
AF
AFは爆速ではありませんがしっかりとフォーカスは追ってくれている感覚はあります。
ただ、たまにピントがなかなか合わず困ったこともありましたので野鳥のメインレンズなどは厳しいかもしれません。
実際にD500との組み合わせで少し撮影をしてみましたが、追いきれていない場面がちらほら。
私の力量不足というのが非常に大きい部分ではあると思いますが「D500を使ってもこんなかー」と率直に感じました。
例えば一回フォーカスが背景の方に持っていかれるとそこからのリカバリーで若干時間がかかります。
航空祭のように背景が空だけ(雲は若干ありますが)などシンプルなシーンでは迷うことは少ないでしょう。
上記のように野鳥撮影や、子供の運動会などで使うと時々AFの挙動で困ることはあるかもしれません。
作例
撮影に使ったボディはNikonのD500です。
400mm 1/320 F6.3 ISO1250
動物園の鳥エリアでの撮影なので当然前には柵がありました。
動物園で柵を消す撮り方のセオリーとしては、明るいレンズで柵にできるだけ寄って開放撮影となりますが、明るくないこのレンズでも望遠側を上手く使えば柵は消すことができます。
270mm 1/250 F6.0 ISO2000
くちばしの色がたまらないです。艶っぽい。
400mm 1/400 F6.3 ISO1800
猿山はどの動物園でも結構広く場所が確保されてますので望遠が足りないということもしばしば。
APS-Cカメラに100-400をつけると猿山の高い所にいる猿もノートリミングでここまでアップで撮影できます。
400mm 1/200 F6.3 ISO180
フラミンゴの目がキリッと写り、羽のサラサラ感も感じることができます。
羽根の色が綺麗。
400mm 1/500 F6.3 ISO100
初の野鳥撮影に挑戦した日だったのでめちゃくちゃ苦戦しました。
この日はカワセミなどには出会えませんでしたが大きい鳥レベルなら野鳥撮影初心者でも比較的追えるAF性能。
400m 1/1600 F8.0 ISO800
競馬撮影が初めてだったので席取りに失敗して結構後ろから撮ってますがこの写真はノートリミング。
東京競馬場の後方座席なら100-400mmあればどの席でもある程度対応可能できそうです。
380mm 1/1000 F7.1 ISO220
前の柵が盛大に写っていたので下の方は結構トリミングしてます。
このようなアングルで寄った写真を撮るにはもう少し長めのレンズが欲しいなと感じました。
開放からでも十分使えるレベルの描写
暗いレンズなのでシーンによっては開放でしか撮れないことも多く、見返してみても開放での写真が多くありましたが、ピントが合っている場所は結構しっかりとディテールが写っていると思います。
動物園ではこのレンズで撮れない所はほとんどありませんでしたが、それでもまだ望遠が足りないと感じるエリアもあったので、Nikonの200-500とかTAMRON・SIGMAの150-600あたりを使うとどこでも対応出来ると思います。
ボケ量に関してはあまり期待はできませんが、そもそもそういう描写を求めるレンズではないため、開放からキレッキレで柔らかいボケが欲しいなら望遠単焦点を買うという選択肢になります。
個人的にはお手軽望遠レンズでここまで写れば十分かと。
超望遠レンズの苦労から開放してくれる撒き餌超望遠レンズ
私は今まで望遠レンズというとα77Ⅱを使っていた時にAPS-C用の55-300mmというめっちゃ安いレンズしか使ったことがなく、Fマウントに移行した後もMAXで200mmまででした。
つまり超望遠域のレンズは今回が初めてということもあり「どんな感じで写るんだ」と若干扱えるか不安に感じることもあったのですが、TAMRONの100-400mmはそのような不安を払拭してくれる取り回しのしやすさは超望遠レンズの入門として非常に優れているレンズだと感じました。
しかし、超望遠レンズの楽しさに気がついたからこそ「もっと先まで写るレンズを…」「もっと明るい望遠レンズを…」と思ってしまいました。
超望遠レンズとして初めて触るにはちょうど良いですが、このレンズを使うと多分望遠レンズをステップアップさせたくなります。
ただ100-400のメリットとしてレンズの軽さがあるので、動物園で1日中バズーカレンズを持ち歩く自信が無い方は多少のトリミング を使う前提でこのレンズを使うと疲労感もなく良い写真も量産できると思います。
このレンズは超望遠のメインレンズというよりはサブとして扱うとちょうどいいかもしれません。
「使うかわからないけど望遠持っていきたいな」って時に真価を発揮するでしょう。
カメラメーカーは各社標準域の単焦点レンズで安価な撒き餌レンズを用意していますが、このレンズは超望遠の撒き餌レンズと言っても過言ではありません。
撒き餌で釣られたユーザーが超望遠沼にハマっていくんですね。わかります。
今Nikonの300mm/F4が欲しいです。
しかし撒き餌だからといって決して性能が悪いわけではなく、性能は価格を考えると十分すぎるほど。
今までは超望遠レンズとなると「大きい・重い・高い」が三重苦セットになっていましたが、SIGMAや今回紹介したTAMRONのレンズはその三重苦から開放してくれる望遠域の定番レンズの一つになるのではないかと思うのです。